増える腸の病気
食生活の欧米化に伴って、「大腸がんの患者が増えている」と言われていますが、増えているのは大腸がんだけではありません。同時に腸疾患にかかる人も増えているのです。
「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」という病名はあまりなじみがないかもしれませんが、実は厚生労働省から難病指定を受けている病気であり、しかも、若い世代に増えているというのです。
<小腸、大腸のはたらき>
小腸 …
長さは3〜4mあり、前半を空腸、後半を回腸という。
食べ物を細かく攪拌して約90%の栄養分や水分を吸収する。
大腸 …
長さは1〜1.5m。小腸から送られてきた残りかすは、回腸(上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸)から結腸、直腸へと送られる。小腸で吸収されなかった水分が吸収され、だんだん便になっていく。直腸に一時的にためられた後、肛門から便となって排出される。
潰瘍性大腸炎やクローン病って?
若者の間で流行りつつある潰瘍性大腸炎やクローン病は、「
突発性炎症性腸疾患(IBD)
」とも言われ、欧米ではかなり有名な病気です。
日本ではなじみが薄いこの病気ですが、一体どんな病気なのでしょうか?
潰瘍性大腸炎
どんな
病気?
大腸粘膜にびらんや潰瘍ができる病気。肛門から一番近い直腸から炎症が始まり、大腸をさかのぼるように進行していく。大腸の粘膜や粘膜下層にのみ炎症が起こる。原因ははっきりしないが、自分の体の一部であるはずの大腸粘膜を自分の敵として攻撃してしまった結果、起こるとも言われている。専門的に言えば、「自己免疫の異常」ということ。
症状は?
特にコレと言った誘因もなく、下痢や血便が見られることがある。一旦良くなったりもするが、また再発する。症状が進むと、粘血便や下腹部痛を伴い、たびたび下痢に悩まされる。重症の場合は、嘔吐、頻脈、貧血、1日10回以上の下痢(血便)、脱水症状などが起こる。
どんな人に起こる?
2歳以下、または70歳以上の発症例もあるが、20歳代に高いピークがあり、患者全体の3分の1を20代が占めているとも言われている。
クローン病
どんな
病気?
潰瘍性大腸炎と同様に、腸に炎症が起こる病気。潰瘍性大腸炎が大腸にしか起こらず、直腸からさかのぼるようにして炎症が進むのに対し、クローン病は大腸から小腸にかけて断続的に炎症が起こることがある。腸の壁を貫いて周辺の臓器に及ぶこともある。炎症が起こると腸管が狭くなり、腸閉塞を起こしやすくなる。
症状は?
主症状は慢性の下痢。潰瘍性大腸炎が初期にはほとんど痛みがないのに対し、クローン病は最初から腹痛を伴う。また、血便もそれほど出ず、多くの場合ドロっぽい便が出る。